デザインは美しい形をつくることではありません。一人の踊り手を見つめ、その人だけの雰囲気と動きを理解したうえで、美しさをいちばんよく映す姿をつくり上げていく過程です。
音楽とともにシルエット・素材・光・装飾は絶えず変わり、そのすべてが動きと一つになったとき、また別の美しさが生まれます。だから私は「どのドレスが美しいか」より、「このドレスをまとった人が舞台でどう見え、どう動き、どんな感情を抱くか」を先に考えます。
色と素材、比率とシルエット、動きとともに変わるラインまで、最後の瞬間まで磨き続けます。いちばんの喜びは、鏡の前で、そして音楽が始まる舞台で、踊り手自身が美しさと自信を見つけるときです。
流行をそのまま追うより、それぞれの踊り手に似合う美しさを探します。クラシックな優雅さと大胆で現代的な感覚を行き来しながら、時を経ても記憶に残るデザインをつくります。
一着が完成するまでには多くの手が必要です。その先で「このドレスは私のために作られた」と感じてもらえるなら、それ以上の意味はありません。ダンスとファッションが出会う、いちばん美しい瞬間をつくるデザイナーでありたいと思います。